物語
大國ヤマトに属する辺境の國エンナカムイ。
この地に一人の青年が母と妹の三人で暮らしていた。
ある日、青年は國の皇の依頼により、ささいな異変を調査している最中、
一人の少女と出会う。
謎めいたその少女から告げられる思いがけない言葉──
亡くなったはずの父親が今も生きている、と。
少女に父の面影を見出した青年は、真実を知るため、地図にない謎の國
『アーヴァ=シュラン』を目指し、故郷を後にするのだった。
数多の困難を乗り越え、青年は父の足跡を追う。
志を共にする仲間たちとの出会い。
奔走と高揚、そして挫折と別離。
数奇な運命は、やがて青年を大いなる刻の最中に誘う──
これは、後に『うたわれるもの』となる或る青年の物語である。